発達障害をもっていることがわかったときは、『すごく、安心しました』

朝晩めっきり寒くなってきましたね。
みなさん、いかがお過ごしですか。

私は、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、双極性障害をもっています。
自分に障害があることは、大人になってから知りました。
きっかけは、婚約者です。
婚約者は学生の頃から児童相談所で活動していたり、大学卒業後は福祉施設で働いていたり、そしてなにより、彼自身もADHDをもっていることから、私の言動や生きづらさにいち早く気づいてくれました。
発達障害は遺伝である可能性もあるらしく、彼も私の家族に対して何か他と違ったところがあるように感じているとのこと。もちろん私自身も、普通とは違うなと、幼い頃から感じていました。
いわゆる「普通」とは違うということから逃げるために、家族と距離をとった時期もありましたし、一方で「私が普通で、周りが普通じゃない」と思うことで自分自身を保っていたことも事実です。
矛盾のように感じるこの気持ちを、確かに私はもっていました。
周りのみんなのように普通でいたい、けれど普通じゃない自分に、それが個性だと言い聞かせて、歩いてきたというか、息が切れるくらいにがんばって走ってきたのだと思います。
婚約した彼と一緒にいるようになってから「顔が優しくなったね。」と言われたことがありました。おそらく、きつい顔になってしまうくらい、自分を隠すというか、守るために、進んできたのだろうと思います。

私は、光や匂い、音、目に入るものの位置、肌感触など、いろいろなものに敏感です。
普段の会話で、相手が言ったことの裏をとることも苦手です。
そのせいで、生きづらくなり、失ったものもあります。
今まで自分の性格が原因なんだと考えていた分、発達障害をもっていることがわかったときは、すごく、安心しました。

「私のせいじゃない。」

そう思えたからです。

しかし同時に、この障害とこれからずっと、その瞼を閉じるまで、向き合っていくことになるのかと思うと、不安で押しつぶされそうにもなります。
この不安は、現時点でも解消されていません。
生活するだけで、いろいろなことにストレスを感じるからです。
障害をもっていない方でも、何らかのストレスを感じながら生きているかと思いますが、発達障害をもっていると、普通は気にならないような、本当に些細なことが気になります。

先ほどお伝えしたように、いろいろなことに敏感だからです。
たとえば、光。
蛍光灯の、あのこれでもかという明るい、真っ白な光が苦手です。
あの明らかに人工物ですよという光を浴びていると、目が痛くなって、気分が悪くなります。

たとえば、匂い。
これといった基準があるわけではありませんが、だめな匂いがあります。
婚約者の匂いも、だめなときがあります。このことでは、何度も傷つけてしまいました。

たとえば、物の位置。
自分のなかでAというものは、ここにあるべきだというきまりがあります。
そこから外れたときに、気持ちが悪くなります。悪心ではなく、むずむずする感じです。
つい先日も、遅くに帰ってきた彼が、疲れて寝てしまい、食器がシンクに置きっぱなしになていました。これも、いつもと違う景色です。朝から最悪なスタートを切りました。

今あげたようなことがあると、「パニック」になります。
これは、自分が自分でなくなってしまうような、簡単に言ってしまえば、発狂してしまったり、泣きじゃくったり、どうしていいかわからなくなる、といった感じです。
そのときに放った言葉や、感情は、はっきり言って覚えていません。

彼が傍にいれば、なんとかなだめてくれて助けてくれることもあります。
一人のときは、とりあえず泣きます。
切り替えられるときもあれば、切り替えられないときもあります。
散歩に行ったり本を読んだりして、気持ちを落ち着かせることもしていますが、うまくいくときもあれば、いかないときもあります。

ここまで読んで、「そんなんで仕事できるの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、不思議なことに、仕事中は、おそらくまったく別の自分なのでしょう。
普段生活しているときとは比べ物にならないくらい、頭が回ります。
普段はできないのに、見通しをもつことができます。
そのストレスが、普段の生活にも出てしまっているのも事実です。
だから、日々、不安との戦いです。
さて、こちらの「電話相談」という仕事に携わる中で、私ができることといえば、まずは聴くこと。
アドバイスといっても、おそらく普通の方とは違った視点でしか伝えられません。
自身の経験から、同じような経験をしている方に、少しだけ寄り添うことができる、というだけかもしれません。
でもそこに、自分らしさがあるのも確かです。

私は、こんな風に、相反する気持ちを抱えながら、日々試行錯誤しながら、私を生きようとしています。

冴香

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