あけみ相談室のさやかです。

突然ですが、みなさんは、普段の食事が精神にも影響することはご存知でしょうか？


健康の為に食生活を気にする人は多いかと思いますが、実は、食事は心の健康にも影響することが近年になってわかってきているようです。

従来、精神科の領域で食事はあまり重要視されていなかったようですが、近年では、食事は身体の健康管理だけでなく、メンタルヘルスにも大切であるという研究が盛んに行われるようになったようです。

では、具体的に食生活において、どのようなことに気をつけた方が良いのかというと、
まず、現代の食生活で注意した方がいいと言われていることとして、エネルギーの過剰摂取があります。



お菓子やカップ麺、レトルト食品などの加工食品は、便利で食べやすく、スーパーやコンビニで簡単に手に入りますが、糖質や脂肪が多く、
過剰なエネルギー摂取は肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病などの原因となり、これらの病態とうつ病の発症には関連があるという研究結果が得られているようです。


例えば、肥満があるとうつ病発症のリスクが高まり、うつ病が肥満発症のリスクを高めると報告されており、うつ病とエネルギー過剰摂取との間には双方向性の関連があることが知られているようです。

次の問題は、栄養不足です。



加工食品や、白米、白パン、白砂糖など精製された食品は、美味しく食べやすい一方、ビタミンやミネラルなど大切な栄養素が取り除かれているものがあります。
そのため、エネルギーは過剰になっているにもかかわらず、ビタミンやミネラルなどの大切な栄養素が十分に摂りにくくなるようです。



うつ病になると、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が不足し、感情や気分を調節する機能が低下することで、前向きな気分になりにくくなると考えられています。
神経伝達物質の原材料になるほか、神経伝達物質の産生を助ける因子として必要となるのが、食事から摂取する栄養素です。


栄養不足の状態では、活力ある生活を送る上で必要な神経伝達物質を十分に作ることができなくなるようです。

加工食品を控えるなどでエネルギーの過剰摂取を防ぎつつ、昔ながらの調味料を使った料理や食品をとることで、
心の健康のために必要な栄養素を十分に摂ることが、精神疾患の予防につながるのではないでしょうか。

では次に、うつ病などメンタルヘルスとの関連が指摘されている栄養素とそれらが含まれている食材を具体的に紹介します！

・ビタミン

うつ病との関連が指摘されているビタミンで、特に不足しやすいのが葉酸です。

葉酸は、神経伝達物質の合成にかかわる栄養素で、健康な人と比較してうつ病の患者さんでは葉酸欠乏が多いという調査結果が得られているようです。
ビタミンDも脳の機能のために大切な栄養素でうつ症状との関連が報告されており、紫外線を浴びることによって体内で作られるため、食品から摂取するだけでなく日光を浴びることも大切なようです。

葉酸は、葉物野菜や納豆、レバーなどに含まれ、ビタミンDは、キノコ類、イワシ、鮭などに多く含まれています。

・鉄や亜鉛などのミネラル

鉄は、神経伝達物質を正常に機能させるために必要な栄養素で、鉄が不足するとうつ病のリスクが高まることが分かってきているようです。
亜鉛やマグネシウムの不足も、うつ病のリスクと関連することが報告されているようです。

鉄は、レバー、赤身肉、魚介、青菜類、納豆など、亜鉛は、牡蠣、ウナギ、牛肉、レバー、大豆製品など、マグネシウムは、海藻類、コーヒー、ココア類、ゴマなどに多く含まれています。

・必須アミノ酸

神経伝達物質の原料として大切な要素で、必須アミノ酸は体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があるようです。

例えば、セロトニンの原料となるトリプトファンは必須アミノ酸の一つで、うつ病の患者さんでは、血中トリプトファン濃度が健康な人よりも低下しているという報告があるようです。
トリプトファン（必須アミノ酸）は、肉、魚、牛乳、乳製品、ナッツ、大豆製品、卵、バナナなどに多く含まれています。

・EPA、DHA

EPA（エイコサペンタエン酸）とDHA（ドコサヘキサエン酸）は、魚に多く含まれる脂肪酸です。
EPA、DHAとうつ病の関連を示す報告が数多くなされているようです。

例えば、フィンランドの疫学研究では、魚をよく食べる人はそうでない人に比べてうつ病の罹患率が低いことが報告されているそうです。
EPA、DHAは、青魚（イワシ、サバなど）に多く含まれています。

また、その時期の旬の食材というのは、我々自然の一部の人間にとっても効果的なものなので、これから暖かくなり、山菜などの自然の旬のものが出て来ますが、冬に溜まった色々なものをデトックスしてくれる働きがあるようです。

心と体は繋がっているので、みなさんも、出来るところから食を意識することで、精神の変化を試してみるのがおすすめです！

さやか

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