カウンセリングと聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか？
やはり心療内科や精神科などの病院で、個室でカウンセラーと椅子に座り対面して自分の気持ちを話し込む、心に引っ掛かってるトラウマや悩み事を吐き出す、
そんなイメージでしょうか？

ところで。カウンセリングなんて、ただのお喋りやグチをいうだけで意味がない、そんな風に感じている人もいますよね。
でも、質問です。
なんの気兼ねもなく自分の本心や本音、過去の出来事全てを話せる人っていますか？

カウンセラーはどんな話であれ誠心誠意、クライアントの話しに耳を傾けます。
その体験は、思ったよりも心地よく、開放感を感じるものです。

なぜなら、どんな人にも心に闇を持っているからです、嫌いな人がいたり、人と喧嘩をしたり、見て嫌だな、と感じるこがあったり、それは自分の心に紐付けられた負の記憶があるからです。

世の中にはよく、ストレスを自覚できない人もいます。しかし、心理テストやアートセラピーやバウムテストをするとストレスフルとの結果が出る人もとても多くいます。
これは、バリバリ働いているやり手男性やキャリアウーマンに特に多いです。

人は年を取り、老年を過ごし、そして死を迎えます。
その中でやりたいことや達成したいこと、手に入れたいことなど、必ず個々の欲求があります。
それをすべて手に入れていれば、ストレスフリーで生きれてる人もいるかもしれませんが、大抵は我慢や妥協、折り合いをつけているものです。

しかし、自分自身で納得できていないことは、わだかまりとなります。
日本は裕福な国ですが、幸せ度指数は非常に低く、「あなたは幸せですか？」という質問に「No」と答える人が大半なのです。
それは、自己開示や感情露吐が出来てないからかもしれません。

ある男性が私のところに電話をかけてきました。
「何をお悩みですか？」と聞くと
「別に。」と答えました
「なにかお話したいことはありますか？」と聞くと
「ここ、カウンセリングなんですよね？カウンセリングしてみてください」と言いました
私は「では、お話を聞かせてもらえますか？」と言うと
「別に話したいことはないんですけど」
と答えました。

この初期のやりとりからして、この方は凄いストレスが溜まってるのだな、と判断できました。
それは、すべての人を「敵」の様な感覚で捉えていて、人の意見や行動までも「敵視」して試したりしてるのだと思ったからです。

私は、「そうなんですね。では、いくつか聞いてもいいですか？」と間を置いて、今の気分や、その気分を話してる時に思いついたこと、その時の気持ち、と、少しづつその方の心を開いていきました。
私がこの方に対応をしたのは、あくまでこの人がストレスフルの状態だと思ったからです。（イタズラや迷惑行為ならお受けしてません）

結局、この男性と２時間くらい話しました。
彼は楽しいことがなく、毎日が仕事と家の往復で、何を見てもイライラする、という心理状態だということでした。
そして、最終的に、彼が最も許せないのは「自分自身なんだ」と気付くことが出来たのです。
最後には声も明るく軽くなり、「なんかスッキリしました」とお礼まで言ってくれました。
これは、稀にうまくいったカウンセリングの一例です。

一度、なんの防衛心も羞恥心も否定感も持たずに、人に自分の気持ちを吐き出してみる、そんな経験をすれば、自分の中で何が引っ掛かっているのか、何が納得出来ないのかが、見えるかもしれませんよ。

カウンセリングとは、そんな自分を解放させる体験なのです。

銀水あけ美

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