佐藤 29才 石川県
なず先生が回答いたします。
29歳の佐藤といいます。
5歳年下の弟についての相談です。
弟は実家で両親と暮らしています。
高校を卒業して専門学校への進学のため親元を離れましたが、だんだんと学校へ行かなくなり、連絡が取れなったため、両親が様子を見に行ったときには部屋で動けない状態だったそうです。
動けなくなったのは、友達とパチンコに行って生活費を使ってしまい、学校が終わったあとに遅くまでアルバイトをして寝ずに学校に行く、というのを続けているうちに動けなくなったそうです。パチンコのために借金をして、親にばれないようにするためにアルバイトを始めて体調を崩して動けなくなるまで無茶な生活をしていました。
ギャンブル依存の状態は今も続いています。
借金は結局親が片付けたようです。
実家に連れ戻された後、親がつきっきりで規則正しく生活をさせて体調が持ち直してアルバイトできるまでになりましたが、パチンコは辞められず、アルバイトしたお金を全てパチンコで使ってしまう状態で、やむを得ず今は親がお金の管理をしています。
決まった日に決まった金額を渡され、渡されたその日にパチンコで使い切ってしまうようです。
パチンコに行きたくなるとお金をもらえるまでしつこく親に食い下がって、屁理屈を並べたり脅したり、人が変わったようになります。
私もその様子を見たことがありますが今にも暴力を振るいそうで怖かったです。
今まで知っている弟は暴力を振るうなんて想像できない優しい子だったので、あまりの変わりように私も動揺してしまいました。
精神科に通院してはいますが、ギャンブル依存症の治療のようなことはしていません。
弟はパチンコでお金を儲けたいわけではなく、頭を空っぽにしていられるから行くんだと言っています。
私の目からはパチンコに行って帰ってきたあとは体調が悪そうに見えます。勝っても負けても。続けてパチンコに何日も行っている時はきっと勝っているから行けるんだと思いますが、目つきが普段と違って見えます。
弟は周りに目が行き過ぎるというか、気を張りすぎて疲れてしまうようで、高齢の人や体が不自由な人が歩いていたり、買い物をしているのがとても気になるそうで、少し離れていても駆け寄って手伝いをはじめたりします。優しいからだと思っていたのですが、優しいだけではなく、少しやりすぎというか、病的なようで、精神科からは脳の活動を抑える薬が出されているそうです。
そういう状況だからだと思いますが、仕事でも人と関わると疲れ過ぎて体調を崩してしまうため、時短で働いています。
仕事をして自立できる状況でもなく、ギャンブル依存があり、親がいてなんとかしている状況です。
今はよくても、この先親も年をとりますし、ずっと今のままいられるわけもなく、親が弟と一緒に暮らせなくなったら、自分しか頼り先がないので、私がどうにか考えなければいけないのですが、正直、弟の金銭の管理をしながら面倒を見ていくことは自分にはとても無理だと思っています。
弟とは仲はいいですが、あんなふうに人が変わったような姿を見るとお金の管理などできません。ギャンブル依存が治るようにも思えません。
弟に今後どう考えているかきいても、将来やりたいこともないしこのまま親元で暮らせればいいとしか言いません。
自分自身も病気をもってなんとかやっている状況なので、経済的にも弟の面倒を見る余裕はありません。
これからどうしていけばいいのか、兄弟として何かできることはあるのか悩んでいます。
アドバイス頂けますと幸いです。
関係があるかわかりませんが、弟は体調を崩して実家に連れ戻された後、発達障害と診断されています。
子供の頃は特に障害があることはわかりませんでした。学校の勉強もそれなりにいい成績で、友達もたくさんいていつも遊びに出かけていたと記憶しています。
なず先生からの回答です。
佐藤さん、初めまして。なずと申します。
弟さんについてのご相談、拝見させていただきました。
大切なご家族について、これまでの経緯などを勇気をもって打ち明けてくださったことと思います。
本当にありがとうございます。
優しい弟さんがギャンブル依存になってしまい、佐藤さんもご両親もとても驚かれたのではないでしょうか。
まず、いくつか気になるところがあります。
弟さんはパチンコに行って借金してと堕落してる状態で、その返済のためにバイトをし過ぎて、学校に行くことも出来なくなったのですよね。
何とかしたい。でもそのストレスから開放される術もパチンコしかなく、自分では止められない。
ここに弟さんの葛藤と大きな問題を感じました。
また、借金の事を親御さんに相談できなかったとのこと。
優しい子だったのにパチンコにのめり込んで、暴力を振るいそうな様子にまでなった。
でも、実際には振るってないから、良心の呵責は残っています。
ギャンブル依存症は悪化するととても深い症状で、専門機関や矯正施設に入らない限り、いきなり止めることはできないことがよくあるのも事実です。
しかし、弟さんの様子を聞くに、彼を苦しめている、頭を空っぽにしなきゃいけない理由を解決するということがまず必要です。
これは弟さんの心とご家族が向き合うことが前提条件です。
私として効果がありそうと思う方法は、まず親御さんがパチンコはいきなりではなく徐々に辞めていく形にすることを受容すること。
そして弟さんがどんな本音を思っているのか、とことん向き合うということです。
頭の中の何を空っぽにしたいのか、
なぜパチンコをしたくなるのか、
そのきっかけ、
いつも何を考えているのか、
パチンコをすると、何が起きると信じているのか、これを本人から聞き出さなければいけません。
また、自分の生活をちゃんとできていない反面、お年寄りや障害者などの弱者に優しいのは、その人たちの気持ちがわかるからです、
つまり自分も同じ弱者だと思っているのです。
お節介なまで人にそうするのは、自分がそうしてほしいと望んでいるからです、そしてそういう社会であってほしいと願っています。
専門学校にまで行かせてくれて、現在も懸命に支えてくれているご両親や心配しているご兄弟がいるのに、どうして彼はそんなに自分自身を卑下した感覚でいるのか?
きっとなにかあるはずです。
脳の活動を抑える薬を処方されているとのことですが、元々の気質的なものなのか、ギャンブル依存による精神的切迫なのかは疑問です。
子どもは自分の精神が安定しないことを親のせいにします。
今後も親元で暮らすと言っているのは、それしか手段がないからなだけです。
しかし、弟さんは親御さんに全く心を開いておらず、本音も言っていない状態じゃないですか?
まずはご家族との関係の再構築が何より優先になります。
また、発達障害は幼い頃の方が顕著に現れます。ギャンブル依存症が始まってからの診断なら、診断に誤りがある可能性もあります。必要ならセカンドオピニオンも検討されてみてください。
結果的な対策ですが、今はギャンブル依存を治すという考えより、弟さんの精神状態にまず目を向けてみてください。
良いやり方とは思わないかもしれませんが、対策として効果が高いのは、パチンコのお金が欲しければ、家族と向き合い、本音で話し合うことを条件にすることです。
パチンコのためなら、必ず条件をのみます。
彼の苦しみがどこから来ているのか、何が辛いのか(おそらく嫌な経験やトラウマがあります)知ることです。
これだけで著しい回復をすることもよくあります。
また、弟さんは暴言を使ったり食い下がったらなんとかなる、ということをすでに経験してしまった「誤学習」に似たような状態なのではと推測しました。
依存症悪化のため自分の思いを通すために、望ましくないやり方を覚えてしまっています。(厳密には誤学習は幼い頃や認知の観点での学習状態を指すことがあります)
よくある例ですが、父親が母親に暴力を振るう家庭で育つと、息子は「女は殴れば黙る」と学び、娘は「逆らうと殴られる」と学んでしまうことなどです。
ご家族でできる限りのことをやって、本人も自分は依存症を直せず前に進めない、と認められたら、矯正施設や入院できる専門機関や専門医を探し、協力を得る方向性も視野に入れながら、まずは家族で出来ることをしてみましょう。
最後に、ご兄弟である佐藤さんが、今から弟さんの面倒を見なきゃと考えるのはまだ早いのではと思いました。
依存症の方のご家族の方のグループなどもありますので、どのように対応されていったか生の声のお話を聞かれても良いかもしれません。
何より佐藤さんご家族と同じように向き合われている経験のある方のお話を伺うことで、気持ちがリセットされて根気強く向き合うことができるかと思います。
依存症は少々、長期戦になります。方法はちゃんとあるので、気持ちの面で心しておきましょう。
またお話をお聞かせくださいね。
ただ、悩むのではなく、問題を一つ一つ整理して、適切な対処をしていくことからです。
なず
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